遠くから眺めるだけだった推しが溺愛してくるのですが、これは夢ですか?
「莉音ー?大丈夫ー?ぼーっとしてるけど」


未花ちゃんに声をかけられて一気に現実に引き戻される。


「ごめん未花ちゃん。次の授業何だっけ」


「次は授業じゃなくて昼休み。…本当に大丈夫?」


「うん。具合悪いとかじゃないから」


「あれだけ人に囲まれたら落ち着かなくなるわよね。仕方ない」


「そうだよね。あはは……ってあははじゃないよ!」


急に椅子から勢いよく立ち上がった私に、未花ちゃんは目を丸くする。


「どうしたの」


「うう、忘れてた…!」


そうだ。現在お昼。…ということは、風季くんがまた来る!
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