遠くから眺めるだけだった推しが溺愛してくるのですが、これは夢ですか?
どうしよう…今朝みたいに人の目に晒されるのはちょっと困る…。


「未花ちゃん、ごめん。私別の人と約束あるんだった!」


「例の御曹司くんでしょ。了解した」


えっと、ここに来られるのはちょーっとまずいから私から一年生のフロアに行けばいいか。


クラスわかんないけどうろうろしてたら風季くん目立つし見つかるはず…!


「じゃ、じゃあ行ってくる!」


「振り回されすぎないようにねー」


お弁当を持っていざ出発!と思ったら、手首をガシッとつかまれて前につんのめる。


「未花ちゃん⁉どうかした?」


驚いて振り向くと、未花ちゃんが呆れたような顔をしている。


「私じゃなくて…」


そう言って私の真後ろを指す。
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