遠くから眺めるだけだった推しが溺愛してくるのですが、これは夢ですか?
「か、海斗くん…」


今までずっと黙っていた海斗くんの手が伸びて私の手首を掴んでいる。


「あいつのとこ行くんでしょ?」


「う、うん…」


「それなら、ごめんけど放せない」


屋上での記憶がフラッシュバックする。


あの時と今ってなんとなく似てる、よね…。


「束縛はやめといたら?」


未花ちゃんがとりなしてくれているけど、手首を掴む力が緩むことはない。
< 105 / 114 >

この作品をシェア

pagetop