遠くから眺めるだけだった推しが溺愛してくるのですが、これは夢ですか?

〈side・海斗〉

***

「はあ…」


盛大なため息が漏れる。


隣にいた柊が苦笑した。


「御曹司くんに連れていかれちゃったね、莉音」


「…っ、分かってんだよ」


「私は莉音の気持ちを尊重するだけだけどね」


「…それも分かってる」


…何もできなかった自分に腹が立つ。
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