遠くから眺めるだけだった推しが溺愛してくるのですが、これは夢ですか?
東くんが、私を、お姫様抱っこ...いや、やっぱりこれはまだ夢の中なのかも。でも、夢でもお礼は言わないとね。
「その、運んでくれたって聞いたときは驚いたけど、嬉しかった。...ありがとう」
恥ずかしさを誤魔化すように笑顔を作ってお礼を言った。
すると、東くんは僅かに目を見開いてなぜか私から顔を背けた。
あれ?私なんか失礼なこと言った?
どうすればいいか悩んでいると東くんがぼそっと呟いた。
「かわいい...」
「え?ごめん聞こえ...「いや、何でもない。戻ろうか」
「う、うん」