遠くから眺めるだけだった推しが溺愛してくるのですが、これは夢ですか?
「あのなぁ。お前らはそうなったら嬉しいのかもしれないけど、俺は正直嫌なんだよ。どこへ行くにも女子の目線が気になるし、いつの間にか自分の持ち物消えてることあるし、振るのも傷つけないように言葉選ばなきゃなんない。1日のほとんどが女子のために消費される俺の身にもなれよ!」


制服に着替えながら俺は一息に日頃の不満をぶちまけた。


「うわぁ。イケメンのシビアな現実聞いちゃったわ…」


2人の眼差しが若干哀れみを含んだものになる。


「俺は、女子に興味ないし今はサッカーに集中したい。それに今日は悠祐(ゆうすけ)がいなかったから俺への声援が大きく聞こえただけだろ」


悠祐というのは俺の親友のことだ。今日は学校を欠席している。


「海斗も悠祐も何でイケメンは揃って女子に興味ないんだ?」


「望めばいつでも手に入るからじゃね?」


「この世はイケメンに有利にできてるよなぁ。フツメンには情け容赦ないぜ…」
< 18 / 114 >

この作品をシェア

pagetop