遠くから眺めるだけだった推しが溺愛してくるのですが、これは夢ですか?
推し is sitting next to me...Why?
席替え
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キーンコーンカーンコーン
朝のチャイムが鳴ると同時に私は教室へ滑り込むことに成功した。
「どしたの?今日はいつもより遅かったじゃない。…さては寝坊か?」
通常よりだいぶ遅れてやってきた私に、友達の未花ちゃんが不思議そうな目を向けた。
「違う!今日はサッカー部の朝練だったんだよ。そんなの、拝むしかないじゃん!」
「あぁ。はいはいそーゆーことね。莉音は東ファン(非正規)だもんね」
「非正規は付けないでいただきたい」
「いや、ファンクラブに入ってなきゃ正式なファンとは認められないんでしょ?」
「そんなの勝手に誰かが作ったものだもん!従ってたまるもんですか」
「まぁそれもそうね」
イケメン、というより男子に興味がない未花ちゃんは私の話を適当に流した。
カバンから荷物を取り出し、準備をし終えた私は、HRが始まるまでの間机に突っ伏することにした。