遠くから眺めるだけだった推しが溺愛してくるのですが、これは夢ですか?

「全員着替え終わったし教室行くか~!」


「今日のHR何だろーな」


「どうせ大したことない話だろ。それよりこの動画今メッチャバズッてるんだぜ!」


並川と新谷は別の話題に移ったらしい。俺は後ろからしゃべらず付いていくことにした。


...新谷は瀬川さんのこと目立たないとか磨けば光るなんて言っていたな。


普通、自分の好きな相手にそんなこと言えるもんなのか?いくら本人がいないからって失礼だろ...


「......」


「どうした海斗。黙りこんで...」


やけに静かな俺に並川がそう尋ねる。


「いや、何でもないから」


俺がまだ愛とか恋とか知らないから、新谷の気持ち分かってあげられないのかもな。


そう思った俺は、不思議そうなふたりに笑顔を向けた。
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