遠くから眺めるだけだった推しが溺愛してくるのですが、これは夢ですか?
俺の中での瀬川さんが、朝の話題の女子から少し気になる女子へと変化した。


「ねぇ、これから莉音って呼んでも良い?」


立ち止まってそう訊くと瀬川さんが絶叫した。


男子じゃないしいきなり距離詰めすぎか...?友達ってそんなものだという俺の認識は間違っていたのかもしれない。


「ダメかな?」


ちょっと反省してそう言うと


「いや全然!好きな呼び方で構わないから!」


大きめの声でOKの返事が来た。


「良かった!」


怖がらせてたらどうしようかと思っていたから一安心。


俺は満足して教室までの帰り道を歩き出す。
< 30 / 114 >

この作品をシェア

pagetop