遠くから眺めるだけだった推しが溺愛してくるのですが、これは夢ですか?
「ねぇ、東くん...」


ふいに立ち止まった瀬川さん、もとい莉音が神妙な顔をして声をかけてきた。


「何?」


「ごめん。私起きたばっかりで今が夢か現実か分からないんだけど...どっち?」


……吹き出しそうになった。


自覚がないのか、大分おかしなことを言っているのに顔が真面目(マジ)だ。


笑いをこらえながら現実だと答える。
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