遠くから眺めるだけだった推しが溺愛してくるのですが、これは夢ですか?
「ちょ、ちょっと2人ともストップ!」


「「どないしたん?」」


違和感に気づいて私は口論を止める。


「未花ちゃんと悠祐くんは出身は…」


「大阪やで。5歳まで住んどったんや」と未花ちゃん。


「奈良。小学校中学年くらいからこっちに引っ越してん」と悠祐くん。


「…つまり、それぞれ奈良公園とか通天閣とか行ったことあるってこと?」


「「せや」」


「じゃあ…」


そこで私はちらりと東くんを見た。


東くんは深くうなずいてくれた。


「公正なるくじで決めましょう」
< 38 / 114 >

この作品をシェア

pagetop