遠くから眺めるだけだった推しが溺愛してくるのですが、これは夢ですか?
「⁉」


いつもより乱暴な言葉遣いで、何かに焦っているような東くんを見るのは初めてで。


「莉音の隣を誰かに譲るなんてできない」


そうさせているのは自分、みたいで。

胸がきゅっと締め付けられるような、知らない感情がどんどんあふれ出してくる。


でも、恋はそう簡単にできるものじゃない。


だから東くんは憧れのままでいい。ままがいい。


「うん…」


東くんには何に対してかわからない頷きしか返せなかった。
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