遠くから眺めるだけだった推しが溺愛してくるのですが、これは夢ですか?
…って、俺は莉音の探偵か何かか!


まあ、授業中に目で追っている自覚はある。


先生にあてられて、きちんと答えられた時のちょっと自慢気な顔とか。


バレーのサーブが決まった時の嬉しそうな笑顔とか。


目が合った時の照れた顔とか。


莉音の人生の一瞬一瞬が輝いているようで目が離せなくなる。







「最近自分が変わっていってる気がする」


「どうしたんだよ。急に」


部活が終わった後。


何とはなしに呟いたひとりごとに並川が反応した。


「変わったといえば、お前最近瀬川ちゃんと仲いいよな。俺たちが朝話題に出してからだよな。お前と悠祐ばっかり瀬川ちゃんと話してるよな。そうだよな。なあ?」
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