遠くから眺めるだけだった推しが溺愛してくるのですが、これは夢ですか?
「そ、それは誰が一緒の班になるか分からないってことですか…?」
再び発言した真野さんはもう半泣き状態だった。それもそうか。修学旅行のかかった大事な席替えが運に頼るしかないんだもんな。
「そうだ。ほら、ここに2つ箱を用意した。左が男子で右が女子。今から一人ずつこの中から番号の入った紙をとれ。黒板に表を書いておくから自分の番号の場所を見つけて座るんだ。一度に全員移動すると混雑するから…まずは女子から」
先生に言われるがままに私たちは並んで、順に紙をとった。
頼む!神様どうか東くんと良い感じの距離感の席を私に…!
いるかどうか定かではない神様に向かって人生初の一生のお願いをしながら新しい席に着く。
「次、男子並べ」
男子の番の間、私は絶対に東くんから目を逸らさないようにした。