遠くから眺めるだけだった推しが溺愛してくるのですが、これは夢ですか?
「大きく口を開けて、もっとゆっくり言って」


…注文が多いなあ。


何されるか分かんないから言うとおりにするけど。


「かーいーとー…むぐ」


いきなり口の中にいつも食べているコロッケの味が広がる。


ふほふひ!(嘘つき!)


海斗くんをみるとしてやったりという顔をしている。


もぐもぐしている私の頬をつついてにこっといつもの顔で笑う。


いや、いつもより眩しいかもしれない。


「美味しい?」


「…うん」


……でも、いつもより甘いよ。


そんなことを言ったらまた海斗くんが暴走するかもしれないので、内緒にしておく。
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