遠くから眺めるだけだった推しが溺愛してくるのですが、これは夢ですか?
風季くんの素直さにひたすらに感動していたら職員室の前まで来ていた。


「職員室はここだよ!」


「わざわざここまでありがとうございました!」


「いえいえ。転校って大変なことばかりだと思うけど、頑張ってね」


そう言って手を振ってお別れ。


ちょっとは先輩らしいことできたかな。


部活に入ってないから、先輩って呼ばれるの新鮮だったなあ。


だから、軽やかな足取りで教室に向かう私は気づかなかった。


風季くんが不敵な笑みを浮かべていたことに。
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