遠くから眺めるだけだった推しが溺愛してくるのですが、これは夢ですか?
「相手の高校は今年の夏に先輩たちが負けちゃったライバル校で、リベンジのためにも俺絶対勝ちたいんだ」


うちの高校は、この高校に総体で負けて泣く泣く敗退したらしい。


「海斗くんならきっと勝てるよ!」


2年間あなたのことを追っかけていた私が言うのだから自信をもって!


誇らしげな顔をした私を見て、海斗くんはふわっと笑った。


「ありがとう。…それで頼み事なんだけどさ、試合の日の俺の昼食作ってくれない?」


想定外な頼み事が来た。


「わ、私が……?」


「うん。莉音が料理上手いって聞いたことあって」


確かに料理するのは好きだけど、海斗くんのお母さんの方が上手いのでは…?


「私なんかで良いの?」
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