遠くから眺めるだけだった推しが溺愛してくるのですが、これは夢ですか?
「俺から莉音に頼んでるんだから。もちろんかかった費用分は支払うよ」


「それは全然構わないんだけど…。でも、本当に私で良いの?」


心配になる私に海斗くんは「何回言うの」と言って笑う。


「莉音に作って欲しいんだ。わがまま、良い?」


「…分かった。期待に沿えるように頑張るね!」


「うん」


微笑みとともに、ふわっと頭にのせられた手。


心が内側からじんわりと温かくなる。


誰かにこうやって期待されたり、頼られたりするのは私の生きてる原動力だ。


それが他ならぬ推しの頼みなら尚のこと。
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