遠くから眺めるだけだった推しが溺愛してくるのですが、これは夢ですか?
「うちの制服、似合ってる!」


「ありがとうございます。昨日は説明兼制服の受け取りだったんです」


なるほど。昨日風季くんの噂が流れなかったのは、すぐに帰っちゃったからだったのね。


それにしても、着こなし偏差値がお高め…。


さっきから女の子たちの視線が痛いし。


うちの学校で3つ目のファンクラブができるのも時間の問題だなあ。







「先輩はいつも朝はこのくらいの時間に来るんですか?」


一緒に校舎まで向かうことになったので他愛無い話をする。


「うん。…あ、でも今日は遅い方かも。ゆっくり歩いてきたからね」


「その手帳を見てたから、とか?」


「目ざといね~。正解!」


「やた!」
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