遠くから眺めるだけだった推しが溺愛してくるのですが、これは夢ですか?
年上としての威厳が…などと思いつつ、もともとそんなもの持ち合わせていなかったことを思い出した。


「それより、お弁当の依頼主はクラスメートですか?」


「うん。今ちょうど隣の席」


「へえ…それは都合がいい」


「…ん?」


「いえ。何でもないです。それより先輩、手をつないでも良いですか?」


「手?」


疑問に思う間もなく、さっと手を取られる。


「先輩の教室までお送りします。場所はどこですか?」


「えっと、そこの階段上がって二階…」
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