遠くから眺めるだけだった推しが溺愛してくるのですが、これは夢ですか?
「先輩の教室、ここで合ってます?」


「う、うん。ありがとう風季くん」


「いえ」


風季くんはそう言って微笑んだ。


「先輩、さっきの答えですけどね…」


まだつながれていた手が強く引かれて、体がバランスを崩す。


そして、そのまま風季くんの腕の中におさまった。


「⁉」


周囲の女子がキャッと声を上げる。


でも、そんなことが気にならないくらい心臓がバクバク。


風季くんの顔が私のすぐ真横にあるから。
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