遠くから眺めるだけだった推しが溺愛してくるのですが、これは夢ですか?
耳元に顔を寄せられて誰にも聞こえないように囁かれる。


「僕、本気ですよ。…先輩の彼氏になりたいって本気で思ってます」


「なん、で…?」


「では、莉音先輩。僕は自分の教室に行かなければ。またお昼会いに来ますね!」


パッと体が離れて、風季くんはそれだけ言い残して去っていった。


ふ、不思議な子…。


「ねえ!瀬川ちゃん!あのイケメン誰⁉」


「ほんと!後輩ぽかったけどあんな子いたっけ?」


「可愛い顔立ちだけど、身長高くてちょーかっこいい!」


「さっきの男子と付き合ってんの⁉」
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