エリート航空自衛官の甘すぎる溺愛で囲い娶られました~敏腕パイロットの25年越しの一途愛~
 いつまででも待つ、と本心から言ってくれたおかげで、ここまで気持ちがすっきりしたのかも。篠は私を欲しがるけれど縛ろうとしない。それがありがたかった。

 そういうわけで篠との結婚生活が始まり、彼の自宅に引っ越してしばらく経った。

 私がこれまで住んでいた場所からはかなり遠くなったものの、幸い、職場は以前の住まいとの中間地点にある。

 東側から三十分かかっていたものが、西側から三十分の距離になったというのが一番わかりやすいだろう。

 私物が少ない篠の家に馴染むのはあっという間で、トーストを焼くくらいでしか踏み入れないというキッチンも今や私の城と化した。

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