エリート航空自衛官の甘すぎる溺愛で囲い娶られました~敏腕パイロットの25年越しの一途愛~
 テレビを見ながら息を吐く。

 いざ新婚生活というタイミングに、篠の災害派遣が重なってしまった。

 帰宅すらできず、連絡も満足に取れない日々。私の調べでは自衛官だろうと休日を取れるはずなのに、篠は例外だとしか思えない。

 突然呼び出されることも少なくなかったし、少し前には早朝に飛び起きて家を出て行くところを見た。ゆったりしたシャツにジャージというパジャマスタイルのまま、顔を洗う暇もなかったようだ。

 あの日、私は隣からごそごそと気配を感じて目を覚ますと、まだ外も暗いのに篠が外出の支度をしていた。

『もしかしてまた……?』

『悪い、起こしたか』

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