エリート航空自衛官の甘すぎる溺愛で囲い娶られました~敏腕パイロットの25年越しの一途愛~
『ううん、大丈夫。なにか食べていく? おにぎりくらいなら用意できると思う』

『いや、寝てていいよ。気持ちだけもらっておく』

 身体を起こそうとした私を制し、前髪にキスをひとつ落として篠は行ってしまった。

 あれから私はいつ篠が呼び出されてもいいように、冷蔵庫にひとつは必ずおにぎりがある状況を保っている。

 朝早くから仕事に勤しむ篠に空腹で苦しんでほしくなかったからだ。

 それくらいしか彼の力になれない自分がもどかしかったけれど、篠はそれで充分だと思ってくれているらしい。

「これで妻って言えるのかな……」

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