エリート航空自衛官の甘すぎる溺愛で囲い娶られました~敏腕パイロットの25年越しの一途愛~
 自分になにができるか考えれば考えるほどわからなかったし、篠は篠で『傍にいてくれるだけでいい』としか言ってくれない。

 でも私はそれだけじゃ足りないと思ってしまうのだ。

 自衛官の篠を支える完璧な妻になりたい。

 それに……。

「……篠といちゃいちゃしたいな」

 風呂上がりにたっぷり保湿した頬を両手で押さえる。

 口にすると恥ずかしすぎて、顔に手を当てたままソファの上でうつむいた。

 もう頭に入ってこなくなったテレビを消し、私が引っ越してくる以前から置いてあったクッションを抱きしめて顔を埋める。

 篠がこの家で過ごす時間は少ないはずなのに、クッションから彼の香りがした。



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