エリート航空自衛官の甘すぎる溺愛で囲い娶られました~敏腕パイロットの25年越しの一途愛~
 私の手からマグカップを受け取ると、篠は少しうれしそうに頬を緩めた。

 その顔が見たいから、彼の起きる時間に合わせてコーヒーを用意したいのだ。

「やっと結婚したのに、ずっと仕事だっただろう。ゆっくりするのもいいが、したいことはないのか?」

「篠がいてくれるだけでいい」

 そう言った私に篠が寄り掛かってくる。

 私より三十センチも背が高いのを忘れているんだろうか。そんなに体重をかけられると潰れてしまいそうだ。……でも、ゆっくり篠を感じる時間が少なかったからこれはこれで悪くない。

「俺になにもさせてくれないのか」

 この人、こんな甘え方をする人だったんだ。

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