エリート航空自衛官の甘すぎる溺愛で囲い娶られました~敏腕パイロットの25年越しの一途愛~
 腕の中には実結がいて、俺の胸に顔をおしつけて寝息を立てている。

 なんとなく過去の夢を見た気がした。きっと実結と昔の話をしたせいだろう。それで目が覚めたのかもしれない。

 妙に目が冴えてすぐには眠れそうになかった。

 豪雨の中の泥の中でも眠れる程度には鍛えられているのに、実結が傍にいるとなにかが狂うのかもしれない。

「……まだ夢を見ているみたいだ」

 口に出して言ったのは、これが現実だと噛み締めたかったからだ。

 身じろぎした実結を抱き寄せて前髪にキスをする。

 このぬくもりを守りたくて自衛官になろうと思ったのだ。

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