エリート航空自衛官の甘すぎる溺愛で囲い娶られました~敏腕パイロットの25年越しの一途愛~
 実結と一緒に山で遭難した後、俺はどんな顔で彼女に会えばいいのかわからなかった。

 怖い思いをしたことよりも実結に怖い思いをさせたことのほうがトラウマで、しばらくまともに食事が喉を通らなかったが、救ってくれたのもまた彼女だった。

 外にも出ずに落ち込んでいた俺のもとへ来た彼女は、いつもするように強引に手を引っ張って太陽の下へ連れ出した。

 俺を責めてくれればいいのにそうはせず、きらきらした笑顔で「今日はなにをして遊ぶ?」と言ったのだ。

 その瞬間、改めてこの笑顔を守れる男になりたいと強く思った。

 彼女が泣かないよう、怖いものをすべて遠ざけられるような男になりたい、と。

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