エリート航空自衛官の甘すぎる溺愛で囲い娶られました~敏腕パイロットの25年越しの一途愛~
「どこで見てたの? 戦闘機に乗ってるとき……?」

「空からじゃさすがに見えないよ。撮影のときだな」

「あんなに人に囲まれてたのに見えてたの?」

「実結しか見てなかった」

 篠が私の両頬を手で包み込む。手が大きいせいで、顔全体がすっぽり収まってしまいそうだった。

「ちゃんと自衛官としてサービスしてたように見えたけど……」

「それはそれとして、頭の中は実結でいっぱいだった」

 あのとき、ほんのり胸に滲んだ嫉妬心が消えていく。

 うれしくなって篠の頬にキスを贈った。

 あんなふうに空を駆ける戦闘機を篠が操っていたと思うと、ますます尊敬の気持ちが強くなる。

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