エリート航空自衛官の甘すぎる溺愛で囲い娶られました~敏腕パイロットの25年越しの一途愛~
 お茶を淹れながら言うと、茶びつの中を確認していた篠が顔を上げた。

「ここに入っている茶菓子もそうらしい。実結が好きそうなものばかり入ってるよ」

「ほんと?」

 篠の前にお茶を淹れた湯のみを置く。

 代わりに篠は私に茶びつから出したお菓子をくれた。

 和紙の包み紙にくるまれているのは、梅がまるまるひと粒入ったゼリーだ。ほかにも小指の長さほどの羊羹を渡される。

「わあ、おいしそう」

「俺の分も食べていい。ただ、昼飯を入れる余地は残しておけよ」

「うん、ありがとう」

 旅行だからといって、慌ただしく観光するスケジュールにはしていなかった。

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