エリート航空自衛官の甘すぎる溺愛で囲い娶られました~敏腕パイロットの25年越しの一途愛~
 子供っぽい発言だとわかっていても、伝えずにはいられなかった。

「篠のしていることはすごく大切で、人のためになるものだって理解してる。だけどそれはそれとして……やっぱり、怖いよ」

 きっと篠は困っている。理解のある妻でなければいけないのに、彼を失う可能性を考えたら目の前が真っ暗になりそうだった。

「不安にさせてごめんな」

 篠が謝る必要なんてない。これは私のわがままだ。

 彼さえ無事でいればいいという、醜いエゴ。

「実結」

 うつむいた私の顔を、三十センチも背の高い篠が覗き込んでくる。

「泣かなくていい。俺はちゃんと実結のもとに帰ってくるよ」

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