エリート航空自衛官の甘すぎる溺愛で囲い娶られました~敏腕パイロットの25年越しの一途愛~
 自分の身になにが起きたのかまだ理解できず、しばらくぼんやりしていると、不意にスマホが鳴った。

 タイミングがタイミングだけにびくんと身体が跳ね、飛び起きてすぐに電話に出る。

「ひゃいっ」

 はいもしもし──と言ったつもりが、変な声になる。

 それを聞いたからか、電話の向こうで笑い声がした。

『篠にプロポーズされた?』

 愛すべき、そしてこれまでちょっぴり恨みもしたふた二つ年上の兄、結真だ。

「お兄ちゃんっ」

 私の今日の混乱も全部兄のせいだ。そんな思いのこもった声は自然と大きくなる。

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