エリート航空自衛官の甘すぎる溺愛で囲い娶られました~敏腕パイロットの25年越しの一途愛~
『気になる? 聞いてきてやろうか』

「……お兄ちゃんが間に入るとややこしくなるからいい」

 幼い頃の思い出として美化されていた初恋の人。

 篠にとっての私はそれで、私にとっての篠もそうだ。

 放っておけないかわいい幼馴染を誰よりも特別視していたあの頃。

 今も思い出すと胸が温かくなるけれど、なにも知らない状態でずっと会っていなかったら、自分から会おうとは言えないかもしれない。

 昔と違うね、なんて言われてがっかりされたら?

 あの頃はかわいかったのに……と背を向けられたら?

 きっと篠だってそんな不安があっただろうに会いに来てくれた。

< 79 / 376 >

この作品をシェア

pagetop