エリート航空自衛官の甘すぎる溺愛で囲い娶られました~敏腕パイロットの25年越しの一途愛~
 兄を軽く咎めてから、天井を見上げて大人になった篠を頭に思い浮かべる。

「あんなに背が高くなると思わなかったな。すごくかっこよかった」

『百八十五センチだってさ。俺より二センチもでかい』

「お兄ちゃんが百八十あったことにびっくりだよ」

『ふふん、高身長イケメンお兄ちゃんだぞ。喜べ』

「調子に乗らないで」

 兄はたしかに見た目がいい。私は平凡なのにひどい話だ。

 両親いわく、既に亡くなった私の祖父にあたるふたりのいいところ取りをしたのだろうとのことだ。父方の祖父は長身で、母方の祖父は若い頃に数多の女性を泣かせた美男子だったらしい。

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