エリート航空自衛官の甘すぎる溺愛で囲い娶られました~敏腕パイロットの25年越しの一途愛~
「話はこれだけ? なら、明日も早いし切っちゃうけど」

『ん、篠と進展したらすぐ教えろよ。じゃあな』

「うん、おやすみ」

 電話を切って、スマホを充電器に繋ぐ。

 兄に言いたいことはまだまだあるけれど、話したおかげで少し頭が整理できた気がした。

「って言っても、これからどうしよう」

 再びベッドに横たわり、ぼうっとしながら自分の唇に触れる。

 ……あんなキス、初めてだった。

 無意識に篠のぬくもりを思い出してしまい、恥ずかしくなって枕を引き寄せ、顔を埋める。

 強がってほかの人ともキスをしたことがあると言ったときの彼の表情。

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