エリート航空自衛官の甘すぎる溺愛で囲い娶られました~敏腕パイロットの25年越しの一途愛~
 この男にだけは実結を紹介できないと思いながら、ついさっき自販機で買った麦茶で喉を潤す。

「訓練はいつも通りにしている」

「おいおい、隠し事なんてやめろよ」

「だから──」

「付き合いが長いのを忘れたわけじゃないだろ? わかるんだよ、なんとなく」

 どうやら探りを入れているわけではなく、確信を持っているらしい。

 こうなっては正直に言うまで延々と絡まれ続けるだろう。まったく面倒な男だ。

「……この間、幼馴染に会ってきた」

「幼馴染? 女の子?」

 声を弾ませたのがわかって、やっぱり油断ならないやつだと考えを新たにする。

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