エリート航空自衛官の甘すぎる溺愛で囲い娶られました~敏腕パイロットの25年越しの一途愛~
 何度も説得してようやく結真を納得させるも、あいつは『でも実結の幸せは邪魔しない』と言っていた。

 今に至るまでちゃんとした交際に踏み切った相手はいないという話だから、どの男も実結を幸せにできると判断されなかったのだろう。

 そういった経緯があるから、再会のときも結真は俺に偽名を使って会えと言った。

 実結に気づいてもらえないなら諦めろと言っていたが、あれはきっと本気の言葉だった。

「それで、久々に会ってどうだったんだ?」

「……わからない」

「わからない? なんだそれ」

「そうとしか言いようがない」

 実結に再会して以来、ずっと胸の奥がざわざわしている。

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