俺様男子はお気に入りを離さない
そんな私の気持ちの焦りとは裏腹に夏休みは否応なく過ぎていき、特にこれといって何かあるわけでもなく花火大会の日を迎えた。
お母さんに浴衣を着付けてもらい、入念に姿見でチェックする。
「お母さん、変なとこない? 帯歪んでない?」
「なあに? やけに気合いが入ってるわねぇ」
「そ、そんなことないし」
浴衣を着るのは初めてじゃないのに、浮ついた気持ちはお母さんにバレているようだ。
実はもう数日前からソワソワしてしまって落ちつかなかった。雨が降りませんようにとてるてる坊主まで作ってしまう始末。それだけ楽しみで仕方がないのだけど。
いざその日を迎えたら今度は緊張で心臓が暴れ出す。何度も何度も深呼吸をして、私は待ち合わせ場所に向かった。
てるてる坊主が功を奏してか、朝から快晴で夕方になっても雲ひとつない綺麗な空。ここに花火が上がるのだから、きっと綺麗に見えるんだろうな。
そんなことを思いながら待ち合わせの神社まで歩いて行く。カランカランと下駄が軽やかな音を立てた。
お母さんに浴衣を着付けてもらい、入念に姿見でチェックする。
「お母さん、変なとこない? 帯歪んでない?」
「なあに? やけに気合いが入ってるわねぇ」
「そ、そんなことないし」
浴衣を着るのは初めてじゃないのに、浮ついた気持ちはお母さんにバレているようだ。
実はもう数日前からソワソワしてしまって落ちつかなかった。雨が降りませんようにとてるてる坊主まで作ってしまう始末。それだけ楽しみで仕方がないのだけど。
いざその日を迎えたら今度は緊張で心臓が暴れ出す。何度も何度も深呼吸をして、私は待ち合わせ場所に向かった。
てるてる坊主が功を奏してか、朝から快晴で夕方になっても雲ひとつない綺麗な空。ここに花火が上がるのだから、きっと綺麗に見えるんだろうな。
そんなことを思いながら待ち合わせの神社まで歩いて行く。カランカランと下駄が軽やかな音を立てた。