俺様男子はお気に入りを離さない
今になってカタカタと手が震えだした。
御堂くんは人気があって学園のアイドル的存在で、ファンクラブも親衛隊も取り巻きもいるって知っていたはずなのに。
少しでも御堂くんと関わろうとすれば風紀委員のような方々に「抜け駆けするな」とばかりに体育館裏に呼び出されて説教されるって聞いていたはずなのに。
……なんでそのことを忘れてしまっていたのだろう。
御堂くんと一緒にいすぎてすっかり頭から抜け落ちていた。
いつの間にか御堂くんを近くに感じすぎていた。
御堂くんは一般人の私なんかとは違う、住む世界が違う人なんだ――。
急に視界が歪む。
ポツリポツリと雫が地面を濡らした。
とめどなく溢れ出る感情が胸を締めつけていく。
苦しい。
息ができない。
私は御堂くんのことが好きなのに。
好きになってはいけない人だったことに気づかされる。
今さら、そんなことに気づくなんて。
バカみたい。
「……ほんとに、バカだ、わたし」
燦々と降り注ぐ日差しが痛いほどに肌を刺す。
花火大会に行ったのはほんの数日前だというのに、ずいぶん遠い日の記憶に思えた。
御堂くんは人気があって学園のアイドル的存在で、ファンクラブも親衛隊も取り巻きもいるって知っていたはずなのに。
少しでも御堂くんと関わろうとすれば風紀委員のような方々に「抜け駆けするな」とばかりに体育館裏に呼び出されて説教されるって聞いていたはずなのに。
……なんでそのことを忘れてしまっていたのだろう。
御堂くんと一緒にいすぎてすっかり頭から抜け落ちていた。
いつの間にか御堂くんを近くに感じすぎていた。
御堂くんは一般人の私なんかとは違う、住む世界が違う人なんだ――。
急に視界が歪む。
ポツリポツリと雫が地面を濡らした。
とめどなく溢れ出る感情が胸を締めつけていく。
苦しい。
息ができない。
私は御堂くんのことが好きなのに。
好きになってはいけない人だったことに気づかされる。
今さら、そんなことに気づくなんて。
バカみたい。
「……ほんとに、バカだ、わたし」
燦々と降り注ぐ日差しが痛いほどに肌を刺す。
花火大会に行ったのはほんの数日前だというのに、ずいぶん遠い日の記憶に思えた。