俺様男子はお気に入りを離さない
「……もしかして、足の怪我は嘘?」
「嘘じゃないけどな。でもかなり軽症だった」
「……優しいね」
「……千花子がな」
ぎゅうっと抱きしめる腕に力が込められる。
私もそうっと御堂くんの背に手を添えた。
思ったより大きな背中は男らしくて逞しいけれど、今日はなんだか弱々しく感じる。
人気者でいつも自信満々な御堂くんでも、いろいろ悩んだり考えたりするんだと思うと、ちょっぴり親近感がわいた。
「生徒会も別にやりたいわけじゃなくて」
「えっ?」
「親の圧力に負けた」
「期待されてるってこと?」
「まあ、よく言えば」
「御堂くんでも負けることがあるの?」
「そりゃあな、まだ高校生だし。はやく大人になりたい」
「どうして?」
「どうしてって、そりゃ、堂々と千花子を抱けるし」
「なっ! ちょっ! みみみみみ御堂くんのエッチ!」
一瞬のうちに淫らな想像が頭を駆け巡り、私は飛び退くように御堂くんから離れる。
「そんな動揺することかよ」
「するよ! セクハラじゃん!」
だって、だって、抱くって……どどどどどういうこと? そういうこと……だよね? いや、よくわかんないけど。
私の持てる知識が頭の中で大暴れして大変なことになっている。
そんな私を御堂くんは楽しそうに眺めるだけだ。
くっ、これが大人の余裕ってやつか。
いや、御堂くんは同い年だけど。
「嘘じゃないけどな。でもかなり軽症だった」
「……優しいね」
「……千花子がな」
ぎゅうっと抱きしめる腕に力が込められる。
私もそうっと御堂くんの背に手を添えた。
思ったより大きな背中は男らしくて逞しいけれど、今日はなんだか弱々しく感じる。
人気者でいつも自信満々な御堂くんでも、いろいろ悩んだり考えたりするんだと思うと、ちょっぴり親近感がわいた。
「生徒会も別にやりたいわけじゃなくて」
「えっ?」
「親の圧力に負けた」
「期待されてるってこと?」
「まあ、よく言えば」
「御堂くんでも負けることがあるの?」
「そりゃあな、まだ高校生だし。はやく大人になりたい」
「どうして?」
「どうしてって、そりゃ、堂々と千花子を抱けるし」
「なっ! ちょっ! みみみみみ御堂くんのエッチ!」
一瞬のうちに淫らな想像が頭を駆け巡り、私は飛び退くように御堂くんから離れる。
「そんな動揺することかよ」
「するよ! セクハラじゃん!」
だって、だって、抱くって……どどどどどういうこと? そういうこと……だよね? いや、よくわかんないけど。
私の持てる知識が頭の中で大暴れして大変なことになっている。
そんな私を御堂くんは楽しそうに眺めるだけだ。
くっ、これが大人の余裕ってやつか。
いや、御堂くんは同い年だけど。