死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。
新川 爽玖という1年下の男の子に、ある告白をされた。
それは、一緒に、死んでほしいという願い。
でも、私は断ることが、できなかった。
今日という1日をまとめると、そういうこと。
それをお兄ちゃんには言うかと言ったら、言うわけがないな。
「そうか?今日はちょっと休もっかな〜って」
「でも、お兄ちゃんねぇ、すごくテストの点数悪いのよ。いけるの?大学」
なんだ。お母さんの機嫌が悪かったのは、そこだったんだ。
「夏菜はこんなのになっちゃだめよ。もっと今くらいから勉強しといて」
「は、はい」
一応返事は言っておく。
「ふん。俺だって頑張ってるし。最後の青春を味わいたいんだよ」
「青春?そんなの大学でもできるわよ!」
「ええ?ほんとか?」
「や、分かんないけど」
お母さんとお兄ちゃんの言い合いが続く。
私はその言い合いを聞いていた。