死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。
家に帰る。


普通に手を洗って、部屋にこもる。


−嫌な予感がした。



もうすぐ、会えなくなる気がした。



夜もベットの中で寝ることができなかった。こわい。



「爽玖くん………っ……」


爽玖くんは、最初から死にたい人。


なのに。なのに、死んだら死んだで私は言うのか。ワガママすぎる…わたし……





「夏菜?どうしたの?」

お母さんはドア越しに心配してくれている。


「……なにもないよ。大丈夫」


「…そう」


私は、いつもこうだった。

悩みを人に相談したことがなかったな。

これは、悩みなのかはわからないけど。

そう私は今気づく。




< 113 / 195 >

この作品をシェア

pagetop