死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。
3.昔はヒーローだった。
謎すぎる犬探し
「きゃぁぁあっ」
え?
女の人の謎の悲鳴が聞こえる。
どうしたんだろう。
声的に、遠くじゃない。
すぐ近くのような…?
「だ、だいじょう、ぶですか…?」
私は小さな声で、教室のドアを開きながら確認する。
こわい。色々な、想像が頭を駆け巡る。
もしかして…爽玖くんが…いや、そんなこと考えちゃだめだ夏菜。
廊下を覗くと、女の人が教室前でしりもちをついて倒れている。
制服姿に、ロングヘアの少し大人気な女の子が、驚きながら目を開いて、座り込んでいた。
「えええ………!?大丈夫ですか?!」
こんなことに慣れていない。まあみんな慣れていないと思うが。
すると、その驚きの目で私を見た。