死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。




「あの、爽玖くん。ならさ!美味しいもの…食べにいくとか?なんて」



誘うことがやっぱり慣れない。自分からいけない…。
なので、冗談交じりになってしまった。
やっぱり断られるのが怖いんだろうな。



「はい。いいです」



「え、え!?即答?」



「いや夏菜さんが誘ってきたんじゃないですか」


「あ、うん。いいんだ。行こうかじゃあ」

断られないかと少し心配になったが、安心した。
私が爽玖くんなんかに誘ってもいいのだろうか…。

というか、男子とどこかへ行くなんて…。想像もつかなかったのに。まさか今行くとは。
でも、誘ってしまった。爽玖くんを見ていたら、少しかわいそうになってしまったから。



「い、いつ行く?ごめんこういう仕切るのとか誘うのとか慣れて、なくて…」


「大丈夫です。多分俺よりかはマシですから」



「めちゃ自分のことマイナスに考えるね」






 
< 138 / 195 >

この作品をシェア

pagetop