死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。
「あの、爽玖くん。ならさ!美味しいもの…食べにいくとか?なんて」
誘うことがやっぱり慣れない。自分からいけない…。
なので、冗談交じりになってしまった。
やっぱり断られるのが怖いんだろうな。
「はい。いいです」
「え、え!?即答?」
「いや夏菜さんが誘ってきたんじゃないですか」
「あ、うん。いいんだ。行こうかじゃあ」
断られないかと少し心配になったが、安心した。
私が爽玖くんなんかに誘ってもいいのだろうか…。
というか、男子とどこかへ行くなんて…。想像もつかなかったのに。まさか今行くとは。
でも、誘ってしまった。爽玖くんを見ていたら、少しかわいそうになってしまったから。
「い、いつ行く?ごめんこういう仕切るのとか誘うのとか慣れて、なくて…」
「大丈夫です。多分俺よりかはマシですから」
「めちゃ自分のことマイナスに考えるね」