死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。


「あ、そういえば来週さ。掃除替えだよねー。」



里花は話題を提示してきた。



「ん??」


そ、掃除替え?そんな事…先生言ってた?



「もー!夏菜話聞いてなさすぎやん!」



「え…?いつ言ってた?そんなん」


出来るだけ、私も彼女の口調に合わせる。



「言ってたよ!昨日の終礼のとき!」


あー。私が告白と勘違いして、頭に全然入ってなかったときか。



「なんかこの1学期は、1年生と2年生共同でやるらしいよー?
ちゃんと喋れるかな…。ちょっと気まずいよねぇ。」


「うん。確かに。先輩だし、頑張らないとなぁ」


少し笑いかけてみる。



「そうだよねー。夏菜思ってるのー?」



里花はいつもの可愛らしい笑顔で笑う。



「思ってるよ!」



私も笑う。

1年生か…。

爽玖くんと一緒になることなんてないはずだ。
今年の1年生の人数は多いし、その確率は低い。

でも…もし一緒になったら。


爽玖くんの事、もっと知れるかもしれるきっかけになるかも。
それか逆に、ちょっと気まずいかもな。
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