死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。
「…ち、ちがいます」


私は口をごもごもしながら答えた。
こんなの気まずすぎる。


「ジャアイコカ。イルカノショーアンネン」


私の手がロボットに引きずられる。


「え、ちょ」


なぜか大阪弁の猫ロボットに困っていると、−急に、爽玖くんが立ち上がった。



「あの」


毎日見る無表情の爽玖くんは、ロボットの片手をガシッと持った。



「ハ?」



「俺も行きます」



「は?」

ロボットと私のは?が連鎖する。



「俺も、行かせてください」



「ナゼ?」


ロボットの方もなぜか知りたいらしかった。





「俺も、夏菜さんとデートしたいので」





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