死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。


えっ− ?

え、爽玖くんって馬鹿なのか?


「ァ?」



「え?」



「だから夏菜さん連れて行かないでもらえますか」


「…ワカタ」

爽玖くんの圧倒差に負けたのか、ロボットは私の手を離した。


ピンポンパンポーン−


[現在、ロボットが水族館内に逃走しています。目撃された方は、近くのスタッフまでお訪ねいただきますよう、ご協力お願いします]


「これって…」

私がロボットを睨みつけると、ロボットは逃げていく。
最新技術というのはほんとにすごいと感じた。



「ふふっ」

爽玖くんは小さくくしゃっと笑いを漏らした。


「なんでしょうね。あのロボット。かわいいな」


やっぱり、爽玖くんの笑顔が好きだな。でも、あのロボットをかわいいと思っていたのは予想外過ぎた。


「えー…」
私の顔はみるみる顔が熱くなっていく。


< 154 / 195 >

この作品をシェア

pagetop