死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。
えっ− ?
え、爽玖くんって馬鹿なのか?
「ァ?」
「え?」
「だから夏菜さん連れて行かないでもらえますか」
「…ワカタ」
爽玖くんの圧倒差に負けたのか、ロボットは私の手を離した。
ピンポンパンポーン−
[現在、ロボットが水族館内に逃走しています。目撃された方は、近くのスタッフまでお訪ねいただきますよう、ご協力お願いします]
「これって…」
私がロボットを睨みつけると、ロボットは逃げていく。
最新技術というのはほんとにすごいと感じた。
「ふふっ」
爽玖くんは小さくくしゃっと笑いを漏らした。
「なんでしょうね。あのロボット。かわいいな」
やっぱり、爽玖くんの笑顔が好きだな。でも、あのロボットをかわいいと思っていたのは予想外過ぎた。
「えー…」
私の顔はみるみる顔が熱くなっていく。