死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。
「え、あ、ち、ちがいます。あの、さっきのは夏菜さんが連れて行かれそうになったからとっさに言ったやつなので」
急いで爽玖くんは言葉を取り消したので、面白くて笑ってしまった。
「ごめんなさい。俺なんかがあんなこと言って」
「とっても嬉しかった」
「え」
「それだったら、私なんかに言ってくれて、ありがとう」
「…はい。あの、やっぱりちがう」
「?」
「夏菜さんとデートしたいのは、本当なので、楽しみましょうね」
そして、彼は少しだけ笑顔を私に見せてくれた。
私なんかと一緒にいることを喜んでくれているようだった。
「…うう」
「え、涙も出してないのに泣いてる声出さないで下さい」
「あ、うん」
そして、私と爽玖くんは椅子に座った。
あの猫ロボットは何だったんだろう。
まさかの私にナンパしてきたけど…。
一応、お店の人とかに言ったほうがいいのだろうか。
「あのロボットのこと言ったほうがいいかな?」
「いや、俺も決めれない症なので」
「なに決めれない症って」