死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。
「あの」

右方から高い声がした。
振り向くと、背が高く美人なお姉さんが立っていた。こんな美人さんになりたいなぁと不意に思った。



「あ、はい」



人見知りが出てしまい、小さく返事をする。



「ロボット見ませんでした?」



望んでいた質問が来たので、一度爽玖くんと目を合わして、「声をかけられてあっちに行きました。」と、指を指しながら言う。


「ありがとう」

お礼を言われたので、1つ気になることを聞いてみることにした。



「あのロボットって、なんなんですか…?」



「あのね。あのロボット、観光用なんだけど録音機能が付いててね。
それで誰かが録音してそれを言い回ってんの。やばいよね」


観光用…?録音機能…?頭の回転が遅い私はゆっくりと理解する。


「じゃあ、あのロボットの言葉は全部録音されてたやつ…?」



「そゆことね。」


こんな不思議な偶然があるのだろうか。
爽玖くんのような人がいて、それであのやり取りを成立させられていた。すごいこと。

お姉さんは走って私が指指すほうへ去っていった。


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